仕事において、「男だから」「女だから」と性差による不遇を受け、憤る人がいる。愛知県の40代女性は、キャリコネニュースに、
「実験補助の派遣社員です。器具の片付けやサンプルの整理整頓、消耗品発注などを”女の仕事”としている職場がたまにあります。男性の比率が高い職場に配属されると、そうなる傾向が強い」(素材・化学・食品・医薬品技術職/年収250万円)
という経験談を寄せている。その一方で、
「男も女も一緒の扱い」(千葉県/40代男性/事務・管理/正社員・職員/年収400万円)
「性別によるマイナスを感じたことは特にありません」(神奈川県/60代男性/その他/年収150万円)
と綴る人もいる。このような声は男性に多く見られるが、なかには女性の声もあった。
京都府の40代女性(年収450万円)は、某IT企業に正社員として勤めており、「IT業界、特にweb系は若い人材が多く、あらゆる意味で男女平等です」と明かした。(文:福岡ちはや)
「正直、昭和的な考え方の会社のほうが仕事は楽でした」
「老舗のIT企業にいた20代の頃は『女の子だから』とさまざまな温情をかけていただきました。でも今の会社はまったくそんなことありません」と語る女性。
「会社の風土的に男性も家庭の事情を優先しやすく、だからこそ女性に振られる仕事量や責任の重さは男性と同等です。性別に関係なく、個人の資質によって残業も深夜対応も休日出勤も発生するので、正直、昭和的な考え方の会社のほうが仕事は楽でした」
完全に男女平等な環境で働く女性だからこそ、実感することがあるようで、
「月経・出産・更年期といった、女性のみが経験する事象もあるなか、男女が同じ土俵で戦うのはかなりの無茶振りだと感じています」
と本音をもらした。
「『誰しもが定時で帰れ、家事や育児も平等に担う』という考え方の社会構造があるべき」
ただし、「女に楽な仕事をさせてほしい」というのが女性の主張ではない。女性は「若くても体力には個人差があります。また、歳を取れば取るほど、その差は開いていく気さえしています」と前置きし、
「女性の社会進出の先には、『誰しもが定時で帰れ、家事や育児も平等に担う』という考え方の社会構造があるべきと強く思います」
と持論を述べる。また、昨今の”男女平等”の考え方について「女性は何かとしんどいので格別に優しくしてほしい、男性と同じだけかそれ以上の権利がほしい、と叫ぶ声のみが前に出ている気がします」と警鐘を鳴らした。
「もちろん、給料の安い理由に性別を持ち出すのは言語道断。しかし世の中には、男性並みの仕事ぶりを求められて体力的に困っている女性や、ほかの男性と同等の働きを求められて弱っている男性がいることを、頭の片隅にとどめていただきたいです」
この女性が主張するように、性別に関係なく、個人の能力や適性、価値観に合う働き方を選択できる社会こそが、本当の意味で”多様性のある社会”といえるのかもしれない。
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