「”女のくせに後輩を呼び捨てするな”と怒鳴られました」整備士になる夢をかなえた女性が味わった悔しさ | キャリコネニュース
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「”女のくせに後輩を呼び捨てするな”と怒鳴られました」整備士になる夢をかなえた女性が味わった悔しさ

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「男だから」「女だから」と性別によってイメージや役割が決めつけられることがある。特に女性が少ない職種では、人知れず苦労することもあるだろう。キャリコネニュースに、整備士として働いていたという女性の声が届いた。(文:コティマム)

キャリコネニュースではジェンダーギャップをテーマにしたアンケートを実施しています。回答はこちらから https://questant.jp/q/ZYVZFJ4M

「男目当てだろ」「整備士が化粧なんていらねえだろ」と言われる始末

静岡県で暮らす40代後半の女性は、昔からバイクが好きで、資格をとって整備士になった。男性が多い整備士の職場で女性が働くのは大変だったようだ。

「もう30年も前の話になりますが……。私は単純にバイクが好きで、高校の頃からそのような雑誌を購読していました。高校卒業後は自動車工業学科のある短大へ進学しました」

「入学すると同級生からは 『男目当てだろ』を異口同音に言われましたし、お年頃なので化粧やオシャレをすると『整備士が化粧なんていらねえだろ』と言う始末。無事、整備士の国家試験を突破し、いざディーラーに就職してもひどい扱いでした」

整備士になる夢をかなえた女性だが、現実は厳しかった。

「課長が『女子だから定時に帰宅していいよ』と言ってくださるのは有り難いのですが、同じ課の先輩に『すみません、お先に失礼します』とあいさつをしても無視。本来の仕事をしたいのに、『○○までこの部品取りにいってきて』なんて日常茶飯事。ディーラーの規則で入社半年はお客様の車は運転してはいけないことになっているのに、平気で配車、引き上げに連れて行かれる有様」

また、「夕礼後に納車に行かされ夜道をひとりで歩いて帰る」「ツナギを着たままお茶くみをさせられる」など、さまざまな仕事を振られたという女性。あいさつの無視は問題だが、仕事面では「女性だから」と制限されるのではなく、ある意味「なんでも」振られたといえる。しかし……。

「(職場では後輩のことを呼び捨てで呼ぶため)、私が後輩を呼び捨てしたら、突然『女のくせに後輩を呼び捨てするな』と先輩に怒鳴られました。私も先輩方から呼び捨てされてました。入社時、覚悟はしていましたが一度たりとも(整備士の先輩から)女性扱いされたことはありません。なのにこんな時ばかり『女のくせに』です」

「女性が活躍できる場が増えることを強く望みます」

こうした環境に耐えながらも女性は整備士を続けた。

「(ある残業の日)、課長が『遅くなるから』と出前を取りましたが1つ足りません。課長は私には残業させないように配慮したつもりなのでしょう。『出前1つ足りないからオレの分を食え』と言ってくださいましたが、はじめから私が頭数に入っていないこと、残業しないで帰宅したらまた先輩たちにいじめられることがわかっていたので、『要りません!』と言い放ち、腹を空かせながら残業しました」

女性は「当時女性整備士はとても珍しく、上司も先輩も(私を)どう扱ったらいいのかわからなかった部分もある」と振り返る。しかし「人として接することがどうしてできなかったのか、本当にずっと悔しい思いをしてきました」と語る。女性はその職場で心身を壊し、2年半で退職した。

「本当はもっともっと整備士をやりたかったです。何を言われても、何をされても揺るがない強い気持ちがあれば続けられたのでしょうが、心が折れてしまいました」

悔しい思いをした女性だからこそ、現代社会に望むことを次のように訴えていた。

「今は女性パイロット、バスの運転士、新幹線の運転士などいろいろなところで女性を見かけるようになりました。女性も男性と対等に仕事ができ、差別のない社会であってほしいと、強く強く願います。これからも女性が活躍できる場が増えることを強く望みます」

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