求人に応募した後、「ありがたいことに第一次試験の書類審査を通過し、二次試験の面接(兼模擬授業)を受けることになり、喜び勇んで試験当日を迎えました。10名ほどの試験官を前にしての模擬授業を終え、面接ではこれまでの職歴や研究、今後の計画など、緊張しつつ何とか受け答えしていきました」という。
そつなく面接と模擬授業をこなした男性だが、途中で学科長と思われる試験官の女性が履歴書に目を通し、こんな質問をしてきたという。
「開口一番『教職の経験がないのに、なぜ本学を受験したんですか』と問われ、開いた口がふさがりませんでした。一般向けの公開講座などの講師経験は単発で何度かありましたが、応募条件は『学位・関連分野での業績・大学運営業務への協力・採用後の近郊地への居住』のみで、教職経験の有無は問われていなかったからです」
「だったらなぜ、書類審査の段階で不合格にしなかったのか。相手にとってメリットがないとわかっていながら、わざわざ面接に呼んでおいてこういうことを尋ねる神経がわかりませんでした」
男性がここまで不満をこぼすのには理由がある。面接に行ったその大学は遠方だったため、アルバイト先とスケジュールを調整し、飛行機と宿の予約を取り、模擬授業の準備もしっかりしてきたからだ。
「『じゃあこの面接をやる意味って何??』と、やる気が一気にそがれてしまい、残りは適当に答えてあとは現地を観光して帰りました。結果はもちろん不合格。今まで受けた面接試験の中で一番無駄な時間だったかもしれません」
と、男性は回顧している。たしかに、実務経験が必要なら求人募集でそう書くべきだし、面接の前の段階でふるい落としてもよかったはずだ。飛行機や宿代をかけてまで受ける面接ではなかったのは言うまでもないだろう。
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