トラブルの火種となったのは、祖母が熱心に信仰していたという「土着宗教」の関係者だった。
「祖母は地元の土着宗教の熱心な信徒で、最期に残された言葉に従い、喪主である父がその宗教の関係者にもお声がけして参列いただきました」
土着宗教とは、一般的に言えばその土地に固有の自然や祖先の霊などを信仰する宗教体系の総称だ。故人の最期の願いを尊重し、喪主である父は律儀にその関係者たちを葬儀に招いた。
式自体は順調に進行していたというが、最後の「お焼香」の場面で、思いもよらない事態が勃発する。
厳粛な場に響き渡った「神罰だ」という怒声
参列した関係者の中には、どうやら生前の祖母と折り合いの悪い人物が混ざっていたようだ。その人物は、焼香の順番が回ってきたタイミングで突如として暴言を吐いた。
「おそらく祖母と仲の悪かった方だと思われる方が来られていて、お焼香の際に『ほれ見たことが、神罰だ』ということを大きな声でわめき出したのです」
宗教内のいざこざや個人的な恨みがあったにせよ、それを葬儀の場で爆発させるのは、あまりにも常識と品性を欠いた振る舞いだ。
「その宗教の関係者の方が止めに入り、その方は退出していきましたが、喪主である父の悔しそうな顔は忘れられません」
暴言を吐いた本人はつまみ出されたものの、残された遺族の心には深い傷と怒りが刻まれてしまった。どんな理由があろうとも、決して許される行為ではないだろう。
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