時は流れてアベノミクスが進められていた時期、経済的な回復により技術系の採用が難しくなった。
「当然新規の人が採用できない、プラス、評価が低かった中堅の人たちを中心に流出しはじめ、社員が2割ほど減ってしまう状況となり部署によっては、仕事が引き継がれない状況となりました」
管理部門の長である男性は、紹介会社などにいくつも相談しながら人集めに苦労し、個人的な関係で採用できそうな人材についても社長に相談を持ちかけた。そんな中で、社長から言われたのが次の言葉だった。
「管理部門に何も権限を渡した覚えがない。あなたの関係者を採用する気はない」
男性はこの時に退職の意思表示をしたものの、なぜか慰留されたという。「何でこんなことをいう必要があったのか未だに不明です」と振り返る。
その後、コロナウイルス流行の時期になると、社長はこんなことを口にしたそうだ。
「人が減ってくれたおかげで、この程度の業績で済んでいるから助かった」
自らの偏った評価で社員が流出し、仕事の引き継ぎもままならない状況を招いたことなどすっかり忘れているかのような発言である。
男性は「先のこと考えてなさ過ぎて呆れました」と締めくくっている。トップの思いつきや好き嫌いで方針が変わる会社では、管理部門の苦労は絶えないようだ。
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