ある日、朝礼時間になってもA君が出社せず、携帯に連絡してもつながらなかった。代理の人員を考えていたところに慌てた様子のA君が出社し、B主任が呼び止めたという。
「すみません!」
「おい、また遅刻か。今日も寝坊か?」
「すみません。電車が混んでいたもので遅れてしまいました。」
「そうか。まぁ、余裕持って出るようにしろよ。早く着替えてきて。」
「はい!」
ロッカー室に駆け込もうとするA君を、男性は呼び止めた。
「はいストップ。止まりなさーい。」
男性はA君を立たせ、静かに言ったという。
「あのなA君。電車が混んでても通常運行していれば遅れないよな?」
「頭のいいサボリ魔の教育は本当にだるいと感じた出来事でした」
その言葉に、B主任もハッと顔を上げたそうだ。車が道路の混雑で遅れることはあっても、電車はいくら混んでも通常運行している限り遅れることはない。よく聞いていないとうっかり納得してしまいそうな言い訳だった。
「遅刻の原因は?」と追及されたA君は「……寝坊です」と白状した。男性は
「では、次回からはこざかしいことをせずに正直に報告しなさい。あと、会社からの電話は出るように。それと、遅れるとわかった時点で一報入れなさい。」
と指導。「はい」と返事をしたA君は、上手くいかなかったことに残念そうに着替えを終えて配置に向かったという。
B主任はおかしな言い訳を見抜けないまま納得しかけたことと、さも当然のように報告したA君の態度に呆れるとともに悔しがっていたそうだ。男性は
「その小賢しい部分を仕事に向けられないものか。頭のいいサボリ魔の教育は本当にだるいと感じた出来事でした」
と綴っている。
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