内定者の実家に「家庭訪問」するメリット 「入社後、問題が起きても親に相談しやすい」「早期離職防止に繋がる」
内定承諾した学生の親に、入社に賛成しているのか確認する「オヤカク」を実施する企業が増えている。そんな中、リフォーム事業などをおこなうメッドコミュニケーションズは内定者を対象に2015年から家庭訪問を行っている。
家庭訪問では、内定者の親に会社の取り組み、仕事内容、研修内容等を説明する。また親に内定者の人柄を聞き、教育方針を決める際の参考にしているという。
同社が発表したリリースによると、2019年度入社の内定者は34人。2018年12月から2019年2月にかけて、北は青森県青森市から南は沖縄県石垣市まで、経営幹部社員6人と人事担当者1人が訪問する。
「家庭訪問で親の愛情の強さと深さを共有した幹部社員が、入社後をサポート」
家庭訪問をすると驚かれるというが、実際に実施すると、親から「子どもから何も聞いていないので心配していた」という声も寄せられたという。家庭訪問することで「入社後に問題が起きた時でも、人事担当者から親に相談がしやすい」といい、
「家庭訪問を通して親が会社を好きになってくれることで、子が迷った時や辛い時に、『もう少し頑張りなさい』と応援してくれるため、早期離職防止に繋がります」
とメリットを説明している。さらに内定者の幼少期から現在までの様子を親から聞くことで、各々に合う教育方法や向き合い方を考えられるという。
「家庭訪問で子に対する親の愛情の強さと深さを共有した経営幹部社員が、入社後の内定者の仕事面、精神面、生活面のサポートを行うメンバーにそれを伝えることで、サポートメンバーにも引き受ける覚悟と責任感が生まれ相乗効果をもたらします」
幹部社員「親の子への思いを感じることで、必ず成長させねばと覚悟が芽生える」
家庭訪問を行った社員は「ものすごく責任の重さを感じます。顔を直接合わせること、親に会社の価値観を知ってもらうことで安心感を与えられている実感がありました」とリリースで語っている。
幹部社員も「会社に期待と不安を持たれているようでしたが、この取り組みから私たちの誠意を感じてくれ、信じてくれることがとても嬉しかった」といい、「親の子への思いを感じることで、必ず成長させねばと幹部に覚悟が芽生える」としている。
同社は他にも4月の入社式に親を招待し、内定者に対するサプライズを計画。「今後も会社と親との関係性を深める取り組みを通して、新入社員の定着率向上に繋げます」としている。