そのDXは「コンピューター屋さんを儲けさせてしまう」だけではないか?
莫大な投資の末、破綻したDXプロジェクトをレスキューする方法はあるのか?(「トヨタ生産方式」著者 大野耐一氏の警鐘) よりこの動画で学べること
- DXプロジェクトが破綻する理由を経営コンサルタントが説明。
こんな人におすすめ!
- 名前に「デジタル」のついた新しい組織に配属されたリーダー。
- 何がDXの「目的」になりうるのかよく分からない管理職。
- 基幹システムの刷新が必要と言われているが効果が見込めないと不安な経営者。
組織名に「デジタル」がついていると危ない説
この動画ではどんなことが学べるの?
経営コンサルタントが、DXのプロジェクトが破綻する理由について説明しているよ。端的にいうと「手段を目的化するな」という古典的な話なんだけど、自社の問題を整理するヒントになるかもしれない。
どういう指摘をしているの?
投稿者でGoldratt Japan CEOの岸良裕司さんは、会社の資料に「グローバルスタンダード」という言葉が入っていたり、組織名に「デジタル」という言葉が入っていたりする会社は危ないと言っている。
そして、トヨタのカンバン方式を確立した大野耐一さんの言葉を引いて、そういう会社は「コンピューター屋さんを儲けさせてしまう」だけで会社が儲からないおそれがある、と警鐘を鳴らしている。
そして、トヨタのカンバン方式を確立した大野耐一さんの言葉を引いて、そういう会社は「コンピューター屋さんを儲けさせてしまう」だけで会社が儲からないおそれがある、と警鐘を鳴らしている。
デジタル化やDXの領域で「コンピューター屋さんを儲けさせるだけ」と表現するのは、かなりインパクトがあるね(笑い)
例えば、グローバルでの厳しい競争環境にさらされている会社が、グローバルスタンダードのシステムを入れたはずなのに、「我が社はユニークな現場オペレーションがあるから勝てている」と考えると、システムにカスタマイズが入ってしまう。
そうすると、世界標準のシステムの中に「部分最適の仕事のルール」が入ってしまい、それをシステム化すると、今後何年も「部分最適のルール」が固定されることになる。さらには、システムのカスタマイズで湯水のようにカネが出ていく。
そうすると、世界標準のシステムの中に「部分最適の仕事のルール」が入ってしまい、それをシステム化すると、今後何年も「部分最適のルール」が固定されることになる。さらには、システムのカスタマイズで湯水のようにカネが出ていく。
「オペレーションのルールを変えなければ、IT化する意味がない」
それはよく聞く話だ。でも、その場合にはグローバルスタンダードのシステムが悪いとは言えないよね。どうしたらいいんだろう?
岸良さんは「オペレーションのルールを変えなければ、IT化する意味がない」と言っているよ。IT化は問題解決ではなく、オペレーション上の問題を解決してから、それをIT化、システム化すべきと言っているわけだ。
それでは、どこの問題解決を優先すべきか。まずは「制約」に集中すべきで、とりあえず制約以外は「今は」やらないと決めることが大事だという。参考図書として、以前ベストセラーになった「ザ・ゴール」をあげていた。
それでは、どこの問題解決を優先すべきか。まずは「制約」に集中すべきで、とりあえず制約以外は「今は」やらないと決めることが大事だという。参考図書として、以前ベストセラーになった「ザ・ゴール」をあげていた。
なるほど。IT化の前に業務を変えろというのはそうだよね。
あらためて、DXとはトランスフォーメーション(変革)であるという点に立ち返り、デジタルツールありきではなく、解決すべき「問題」を正しく定義することが大事だなと思ったよ。
そのときに、ずいぶん昔の本ではあるけれど「生産工程に必要なモノを必要なときに必要な量だけ供給して、在庫を徹底的に減らす」トヨタのカンバン方式などは、いまでも参考になるところが多いのかもしれないね。
そのときに、ずいぶん昔の本ではあるけれど「生産工程に必要なモノを必要なときに必要な量だけ供給して、在庫を徹底的に減らす」トヨタのカンバン方式などは、いまでも参考になるところが多いのかもしれないね。