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新人のとき「そんなこともわからないのか」と上司に罵倒された男性、実力で年収2.5倍になり立場逆転

画像はイメージ

新人のときに受けたパワハラは忘れられない悔しさだろう。しかしそれをバネにして努力し、相手を凌ぐ力をつける人もいる。14年ほど前にある信販系会社に新卒入社した30代の男性は、

「新人のとき配属された現場の店長、課長、先輩が全員体育会系でした。『仕事は見て覚えろ』『そんなこともわからないのか』と言われたり、朝終礼で罵倒されたりは当たり前でした」

と振り返る。体育会系が悪いわけではないが、その悪いところが全部出ている上司たちだった。

「誰もやりたがらない仕事は大量にやらせるくせに、評価される仕事は与えないなどテンプレのパワハラ行為はすべて経験しました」

しかし、男性は後になってそんな苦しい立場を逆転させることが出来たという。どういうことなのか、編集部では男性に詳しく話を聞いた。

「会議室に押し込められて半日指導と称した罵倒」

仕事内容は「配属された支店で営業や事務」だったが、その現場でひどいパワハラに苦しめられた。

「“誰もやりたがらない仕事”とは、評価されず成果にならない類の融資受付や、時間のかかる預金関係の住所変更などの手続きが該当します」

新人なら雑用のような仕事でも文句は言えないが、これらの仕事は入社5年目まで続いたという。厳しい契約ノルマを達成してから「評価されうる仕事をさせてほしい」と希望を出しても「やるレベルにない」と一蹴されたりもした。

今なら一発アウトになりそうな陰湿な新人いじめも日常茶飯事だった。

「会議室に押し込められて半日指導と称した罵倒や、それが終わって帰る時に『何も仕事してなくて帰るとかいいご身分やな』『給料泥棒』となじられるまでがセットでした。反省と称して、できなかったことだけを半強制的にノートに書かせたりなどもありました」

業務時間中にこんな拘束をされて、きちんと仕事ができるはずもない。さらに、はっきりと悪意を感じる出来事もあった。

「特にひどかったのは、自分で頑張って取った契約を別の先輩が取ったことにされたり、重要な契約書類が1枚だけなくなって、それを私のせいにされたりしたことですね」

「書類の紛失は、防犯カメラで私が抜き取った動きなど全くなかったことを上席たちが確認したにもかかわらず『なくなったのはお前のせいだ』と決めつけられました。しかし、なぜか1年後に書類一式が保管ファイルから見つかりました」

これに関して男性は、「直接の証拠がないので何とも言えませんが、状況的に故意の嫌がらせだった可能性が高いですね」と疑っている。誰かが男性を陥れようとしたとしか思えないのだ。

「なぜ嫌がらせをされていたかと考えると色々ありますが、要領が悪いのと、おかしいことはおかしいと言っていたので反抗的に見えたところが良くなかったと思っています。当時は知りませんでしたが、上司のお気に入りの女性社員と仲良くしていたことも要因の一つだったかもしれません」

だとすれば、本当に子どもじみた嫉妬と言わざるを得ない。

努力して本部へ…「昇進もあり、ざっくり言うと収入は2.5倍になりました」

しかし、そんな環境でも男性は腐ることなく努力を重ねた。

「悔しかったので色々と資格を取りました。そうしたら、人事の人の目に留まったんでしょうね。今は現場を離れて、本部で現場の人達が使うシステムの管理開発の部署にいます」

と実力で支店勤務から本部へ異動となっている。取った資格やその後の収入を聞いてみると、こう明かした。

「簿記2級やFP2級、宅建士、ほかに社内資格複数です。収入は、昇進もあり、ざっくり言うと2.5倍になりました」

現在は当時の上司たちと離れ、順調に仕事が出来ているようだ。しかし、かつての上司たちは男性の成功が面白くないようで……。

「いまだに飲み会の場などで、事あるごとに『私がいかに出来なかったか』の悪口を流布しているのは風の噂で聞きます。こう言ってはなんですけど、専門知識では彼等は絶対私に敵わなくなってしまったので、まだそんなこと言ってるんだ可哀想だなとは思いますね」

その上で「あまり度が過ぎるようでしたら、証人や証拠集めて警告します」と冷静に語る男性。新人いじめやパワハラ被害にあったことを忘れることはないようで

「お客さんがシステム使うときとか、結構現場のサポートとかもする部署なので、彼等がサポート必要になったときにどう頼んでくるのか楽しみです。まあその時は『そんなこともわからないんですか?』って丁寧にやり返します」

とリベンジの機会を待っている。今のところ質問してくることはないそうだが、上司たちについて

「彼等みたいな人の皮を被った動物たちと社会人の最初に巡り会えたおかげで、以後出会うほとんどの方々と上手くやれるようになりました。そこだけは感謝してます」

と思いを語った。

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