日本企業は「社外学習・自己啓発しない人」が多すぎる その「理由」とは? | キャリコネニュース
おかげさまで6周年 メルマガ読者数
65万人以上!

日本企業は「社外学習・自己啓発しない人」が多すぎる その「理由」とは?

画像はイメージ

仕事で必要なスキルは全部、仕事で身につけられたのは昔ばなし。技術が進化する中で、それについていけない人の「働く力」はどんどんと落ちていきます。しかし、日本では「企業は学ぶ機会を与えず、個人も学ばない傾向が強い」という調査結果が明らかになりました。なぜ、日本人は学び直しをしないのでしょうか。今後、社会人はどう学んでいけばいいのでしょうか。(文:林 雅之)

企業は学ぶ機会を与えず、個人も学ばない傾向が強い日本

企業は学ぶ機会を与えず、個人も学ばない傾向が強い日本という状況が、世界と比べても顕著となっています。

日本企業のOJT以外の人材投資(GDP比)は、諸外国と比較して最も低く、低下傾向になっています。社外学習・自己啓発を行っていない個人の割合は46.3%と半数近くと、諸外国と比較してもその差は大きくなっています。

出典:第1回 教育未来創造会議 2021.12

労働生産性と学びも関係しているようです。諸外国の労働生産性と仕事関連の成人学習参加率の比較をみると、仕事関連の成人学習の参加率が高い国ほど、時間当たりの労働生産性が高い傾向にあります。

出典:第2回 教育未来創造会議ワーキング・グループ 2022.2

実際に、世界と日本の労働生産性を比較してみると、日本の一人当たり労働生産性はOECD諸国の中でも下位となっています。2020年の日本の就業者一人当たりの労働生産性は78,655ドル(約809万円)と、OECD加盟38か国中28位、米国の約56%にとどまっています。

出典:第2回 教育未来創造会議ワーキング・グループ 2022.2

労働生産性と労働市場の流動性との関係もみてみましょう。労働市場の流動性と労働生産性は、相関関係があり、労働流動性が低い国の労働生産性が低くなっています。日本の労働市場の硬直性が、労働生産性の低迷を引き起こしている可能性が数値からは読み取れます。

出典:第1回 未来人材会議 2021.12

これらのデータから読み解くと、学ばない日本人≒労働市場の硬直性≒労働生産性の低迷と捉えることもできるのかもしれません。

日本人はなぜ学ばないのか? 企業は何を学ぶことを求めているのか?

では、なぜ、日本人は、世界と比べて、学び直しをしないのでしょうか。背景にある構造を少し紐解いてみたいと思います。

企業の正社員が自己啓発を行う上での課題で、一位となっているのが、「仕事が忙しくて自己啓発の余裕がない」というのが、50%を超えています。学ぶための時間の確保が大きな要因となっています。

出典:第2回 教育未来創造会議ワーキング・グループ 2022.2

企業における教育訓練の実態もみてみましょう。企業のOFF-JTとして、高等教育機関での教育訓練の機会を与えている企業はごくわずかとなっています。

企業が高等教育機関での就学を認めない理由としては、「本業に支障をきたす」「教育内容が実践的ではなく現在の業務に生かせない」といったことがあげられています。

出典:第1回 教育未来創造会議 2021.12

実際に、自社の人材育成施策が環境変化に対応できていないと考える企業は多く、自社の人材育成施策が環境変化に対応できていないと回答する企業は約90%となっています。対応が必要となっている要因には、「社員の就労意識の多様化」「デジタル技術の進展」などが上位にあがっています。

出典:第2回 教育未来創造会議ワーキング・グループ 2022.2

一方、企業が、今後従業員を送り出したい専攻分野では、「経済学・経営学」に続き、「情報・数理・データサイエンス」「IT関連」が上位に入っています。昨今のDX(デジタルトランスフォーメーション)の動きが顕著となっていることが伺えます。

出典:第2回 教育未来創造会議ワーキング・グループ 2022.2

また、別の調査では、企業が大学などにおいて習得させたい能力としては、「専門的知識」が最も高く、次に「計画力・プロジェクト管理能力」「リーダーシップ・実行力」「問題設定・解決能力」「提案力」などが上位にきています。

出典:第2回 教育未来創造会議ワーキング・グループ 2022.2

日本の社会人は学びたいのか?

一方、学び直しが必要、学び直しをしたいと考える社会人は多いという調査結果も出ています。学び直しを実際行った人と、行ったことはないが、学び直しを希望、または興味はある人を合わせると8割を超えています。

出典:第2回 教育未来創造会議ワーキング・グループ 2022.2

また、大学などにおける学び直しを実際行った人で、その後の処遇やキャリアにポジティブな変化をもたらしたと考える人は半数以上となっています。学ぶことによって、ポジティブになる傾向が伺えます。

出典:第2回 教育未来創造会議ワーキング・グループ 2022.2

最後に

私自身、これまで、群馬県高崎市から東京まで21年以上新幹線通勤をしていましたが、この2年ほどは、テレワーク中心の勤務形態となり、通勤の4時間弱の往復時間を有効活用ができるようになりました。

そのため、昨年から、社会情報大学院大学の実務家教員養成課程で主にオンラインで学んでいます。一緒に学ぶ人とのディスカッションや交流、そして、新たな知見を得ることで、ポジティブな気持ちにもなり、改めて、学び直すこと、学びを継続することの大切さを実感しています。

テレワークの利用増加で、通勤などで費やしていた時間を会社以外のことに充てる社会人も増えていると思います。昨今の働き方の多様化の動きで、学び直しや学びの継続をし、自らを社会に適応させていくことがますます重要となっていくのではと考えています。

プロフィール:林 雅之 グローバルウェイ アドバイザー。NTTコミュニケーションズ勤務し、国際大学GLOCOM客員研究員などの活動にも従事。主な著書に、『イラスト図解式 この一冊で全部わかるクラウドの基本(SBクリエイティブ)』、『スマートマシン 機械が考える時代(洋泉社)』 など。

【PR】注目情報

関連記事

次世代バナー
次世代バナー
新しい働き方バナー

アーカイブ