「なんでコイツいきなりパチンコホールで働いたときの思い出話してんだ? ウザいな。おっさんが過去の話するのが一番ウザいんだよな」と思った読者さんも4億人ぐらいいると思われるが、もちろん理由がある。
先日、5ちゃんねるに「パチンコのバイトってきつい?」というスレッドが立っていて、コラムのネタに困って今回はこれを取り上げようと思ったためだ!
このスレッド、立てたのは現役バリバリのニート。「ニートだから体力ない&コミュ障&物覚え悪い」と書き込んでもいる。スレッドを立てた翌日が初出勤になるようだ。
これに対してスレッドでは「よく採用されたな」という書き込みも見られるところではあるが、パチンコホールも人手不足ってことなんだろう。人員は何人いても良いわけだし。
それよりも、自分の欠点をしっかり客観視して文字で表現できて、なおかつパチンコホールでバイトしようと決起したこのスレ主を、僕は素直にかっこいいと思う。なかなかここまでシンプルに自分の弱点を明かす人って、匿名前提の掲示板でもいないじゃん。他人の弱点を突く人は多いけれど。
僕自身、陰キャで引きこもり人間なので彼の不安も分かるんだけど、冒頭で書いたようにパチンコホールは陽キャが多い(幹部は特に。陰キャは出世できないホール企業も割とある)。
なので、いじめが皆無かと問われればそんなことはないんだけども、僕がいた企業はバイトさんに対しては、人事部もなるべく働きやすい環境を用意しようと動いていたので、イメージだけで「働きづらそう」と思う必要はないのかなと思う。まして今はもっとバイトさんを取り巻く環境にも敏感になっている時代だろうから、余計に。
また、接客は接客だけど、お客さんと対面で接客することってそう多くないので、コミュ障を自覚してる人にも向いてるんじゃないかとも感じる。大体のお客さんは目の前の機械を相手にしてるので、店側の人間はあまり眼中にないのだ。
クレーム対応も基本的には社員以上が引き受けるので、バイトさんにとっては他人事みたいなところもあるし。
色んな問題を抱える人を受け入れてきたのがパチンコホール
元々、パチンコホールって昔は事情があって地元に帰れなくなった人だとか、問題を起こして知らない土地に逃げてきた人とか、そういう人の受け皿として機能する時代もあったらしい。
今は世代も変わって、それこそ流石に住民票もないような人はお断りって感じになったけど、根底には来るものを拒まないで、まずは面接するという風潮はある。だからこそ僕みたいなひねくれた陰キャも社員になれたわけだ。
それこそ、僕がいた店では、職場に借金取りから督促の電話がかかってくるほど借金まみれで、しかもしょっちゅう仕事をすっぽかす、困るけど憎めないバイトさんも存在した。本人は携帯も止まっていて、督促しようにも家にもいないから、こういう手段に出たらしい。
こういう人であっても活躍できる環境と言い換えることもできるので、別にニートだからとか、体力がないからとか、そういうのは気にしなくて良いのである。ただ、夜勤だと深夜の新台入れ替えという名の過酷な肉体労働に参加する羽目になることもあるため、極端に体力がないって人は夜勤は避けるのが無難だ。
それに、割と暇な店でも動き回ったりするので時間が経つのも早く感じる。運動にもなるし、今は改正健康増進法の施行によって副流煙問題も過去のものとなり、健康的に働けるのではないか。僕が現役の時は本当に凄かった。副流煙のせいで目が痛くなるほどだったし。
まあ、騒音は相変わらずなので聴力への影響はあるかもしれないけど、家で腐ってるよりは時給も発生するだけかなりマシだろう。
一方で、一番大事なお金の問題について。常々、パチンコホールはバイトさんの時給も高めという傾向があったが、それも20年前の話。近年は他の仕事も昔より時給が高くなっているため、パチンコホール=高時給の図式はかつてほど成り立たないように感じる。
実際にこのコラムを書くにあたって、都内品川の某ホールの昼番の時給を確認したところ、1500円と表記されていた。対して、品川区内のスタバの求人を見ると、1260円からとなっていて、4か月ごとに昇給機会ありとも書いてある。
額面で言えばパチンコホールの方が高いものの、これは昔と比較すると正直もう、そこまでのアドバンテージはないと言って良い。
日本は不景気だけど、無理にパチンコホールで働いて稼ごうとしなくても、もっと肉体的に楽なバイトは選べるってことなんだろう(もちろんスタバは結構しんどいバイトの範疇に入るだろ、という指摘もあるのは理解しております)。あくまでもバイト探しにおいてはね。