男性は「大学生のときはちょうど平成になったばかりで、学生運動なんて見る影もない時代」だったと振り返る。学生運動が激しかったのは1960、70年代だが、面接官は勘違いしていたのだろうか。当然、男性は「(学生運動は)ありませんでしたが…」と答えると、今度は別の面接官が質問してきた。
「平成という時代は終わりました。あなたにとって平成とはどういう時代でしたか?」
立て続けに不可解な質問をされた男性は、「一体この人たちは何を聞きたいのだろうか、といささか不安になりました」とこぼす。しかし、そんな本音を隠して次のように答えた。
「平成では、大きな災害、そして事件がありました。ひとつは、阪神淡路大震災、もうひとつは東日本大震災。そして地下鉄サリン事件。阪神淡路大震災を通じてボランティアが一気に全国的に広まり、NPO法人が増えました。また地下鉄サリン事件なども、日本は安全な国だと信じられてきた神話が一気に崩れたような気がします。同時に、人と人とがつながり、支え合うことの大切さも気付かされた、平成にはそんな印象をもっています」
次に面接官の口から出たのは「あなたの長所と短所を言ってください」というありきたりな質問だった。そのあと「これで面接は終わります。どうぞお帰りになってください」と廊下に出された男性は、「頭が真っ白になっていました」と明かした。それもそのはずだ。
「仕事の内容は一言も説明していない。そして、こちらの質問の時間が与えられなかったことで、一体、僕は何をしに来たのだろうと、不安になりながら帰った」
ちなみに男性が応募したのは、「地域づくり推進員という、町内会、自治会と連携して地域づくりを推進する仕事」で、聞きたいことはたくさんあっただろう。
釈然としない男性だったが、面接から3日後に採用通知が届く。面接で仕事内容の説明はなく、突拍子もない質問に不安を覚えたものの、男性は入社した。ところが……
「いろいろあって1年で退職しました」
退職理由は書かれていないが、読者からのこうした投稿を見ると、面接時点で不安を覚えた会社に入社しても、早期に辞める傾向があるように思う。
※キャリコネニュースでは「面接での信じられないエピソード」をテーマにアンケートを実施しています。回答はこちらから https://questant.jp/q/74FZSHAJ
職場で靴を盗まれた? 「警察に通報します」と貼り紙をしてみたら……