男性の手取りは17万円ほどで、子どもを育てるには少々心許ないように思えてしまう。実際、本人も
「かなり生活が厳しいですね。嫁が働いていてくれているので助かってはいますが、そうじゃなければやってられません」
「将来性はいっさい感じられず、これでは若い人たちはすぐに辞めていくと思います。私自身も辞めておけばよかったと思いますね」
と本音をこぼした。これだけ手取りが少ないのは、「基本給が低く、運転している時間しか(労働時間として)計算されない」という事情があるという。
「例えば1日の行程が12時間として、5時間遠足や試合、観光地などでお客様が自由にしているとします。そうなると1時間だけは加算されても残りの4時間はカット時間(非労働時間)といわれ、拘束時間から外されてしまいます。そうなると実労働時間は8時間とされ、残業代は出ません」
カット時間中も、乗客の荷物が車内にあるためバスを管理しなければならない。それにもかかわらず、
「1か月に40時間ほどカットされていたりします。おかげで拘束時間そのものは長いのに、残業は少なく基本給が低いので厳しいことになるのです」
というから驚く。やはり真剣に転職を検討したほうがいいかもしれない。