何とか土曜日の勤務を終えて帰宅したものの、翌朝にはさらに怠さが増していた。それでも店長に嫌味を言われるのが嫌で日曜日も出勤。しかし、さすがに症状がきつく、事務所で休みながら体温を測ると、39.8度まで上がっていた。
限界を感じ、さすがに早退しようかと考えた矢先、事務所に店長が入ってきて男性を怒鳴りつけたという。
「おい、いつまで休んでるんだよ。インフルエンザくらいで情けないな!」
この言葉に男性も腹を立て、店長を押しのけて売り場に出ると、時には3、4人の客を掛け持ちしながら接客し、意地で売り上げを作っていった。
手が空いた店長が、男性が掛け持ちで対応していた客に声をかけようとしたが、「私のお客様です」と自ら接客を続けたという。
「今だったら訴えられる案件であったと思っています」
夕方過ぎ、客足が落ち着いたころに客から預かった商品の補修出し(裾上げなど)の処理をしていると、店長からこう声をかけられた。
「お、すごいな。○○くんが売り上げ一番だ」
男性はこの会社に10年勤めたが、インフルエンザでも朦朧としていたこの日の個人売り上げが、10年間で一番の好成績になったという。そのとき、店長がこんなことを言った。
「ずっとインフルエンザでいいんじゃないか?」
男性は、この店長の一言が「今でも許せていません」と振り返り、「今だったら訴えられる案件であったと思っています」と締めくくっている。
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