手当が出ないばかりか休日まで潰される状況に、男性は以前から違和感を覚えていた。
「多少人事評価で加点になるのか、指導員を始めてからの社内での昇進は早いほうだといえますが、何の手当もなく、休日がつぶされるのにはもやもやしていました。特にこの数年は定年退職などで指導員の数が減り、ぎりぎりの中で運営していますが、昨年度から、この研修指導をもっと広く事業として拡大しようという無謀な方針ができ、今年は本当に人がいなくて大変でした」
指導員の数が満足に足りていないのに、会社は拡大方針を固めているようだ。上司に相談しても要望は聞き入れてくれないという。
「指導員制度の運用責任者である次長に人を増やさないとだめだと言うことを何度も訴え、このままでは事業そのものが瓦解するということも何度も説明しましたが、腰が重く面倒ごとには手を出せない次長は動かず、挙句の果てに出てきた言葉が、
『やる気のない人集めたとしてもしょうがないからねぇ』
と言うもので、やる気はないけど仕事だし事業拡大で今後に繋がるのならという思いでやってきた自分の気持ちが折れかけてしまいました。中間管理職が弱いと感じている今の会社ですが、特に『こいつのもとで働くのはアホらしい』と思った瞬間でした」
「どうやってフェードアウトして指導員から解放されようか、そんなことばかり考えています」
根本的な対策をする気がない次長の一言に、それまで会社のために踏ん張ってきた男性の心も完全に折れてしまったようだ。その後の現状について男性はこう綴っている。
「何の改善もないまま今年度も指導員制度は続いています。年齢的に転職はできないですし、通常業務は好きなので、今はどうやってフェードアウトして指導員から解放されようか、そんなことばかり考えています」
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